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人工透析をしていても特別養護老人ホームへの入居は可能ですか?
1 はじめに
施設見学のご家族様から「透析をしていても特別養護老人ホーム(以下「特養」という。)への入居は可能ですか?」とのご質問をよく受けます。結論から申し上げますと、人工透析中の要介護者であっても特養の入居は可能ですが、特養によっては、入居困難としているところも有ることを認識しておく必要があります。
なお、えびすの郷(特養、ショートステイ)は、人工透析対応型の特養ですので、透析治療を受けられている方もご入居・ご利用いただくことが可能です。
2 特養によって入居困難としている理由
特養によって透析中の要介護者を入居困難としている主な理由は、①透析後、体調が急変するおそれがあるため、②こまめな体調管理や見守りなどに人員が割かれるため、③透析対応可能な医療機関などへの送迎手段がないため、④透析による合併症に対し、医療機関(循環器内科、消化器科、糖尿病内科など)と連携し日々の体調管理が求められるなどがあげられます。
3 入居にあたって確認すべき4つのポイント
(1)透析にかかる介護をよく知っている
透析は血液を取り出す「シャント」と呼ばれる人工的な血管回路を設置するため、日常生活でも様々な点に注意することが必要です。重いものを持ったり無駄な力を入れたりしない、シャント部分を圧迫しない、常に清潔にするなど、特にシャントについて注意する必要があります。
(2)透析病院・診療所への送迎手段がある
透析は、週3回程度、1回4時間以上かかります。特養の隣接に透析病院などがあれば、スムーズな透析治療が行えますが、そうでない場合、透析治療に対応した病院・診療所へ送迎する必要があります。送迎の手段が整っていない場合、通常、介護タクシーの利用又はご家族様が送迎を担うこととなります。
(3)合併症にも対応できる
透析患者には貧血などによる体調不良や心不全など、さまざまな合併症リスクがあります。異常を発見したときは、すぐに医療機関に診てもらえる体制があると安心です。
(4)食事や水分管理をしてくれる
透析患者には食事制限があります。透析患者は腎不全(腎臓の働きが正常時の30%以下)があることから、体内の塩分と水分量を正しい量に保つため、塩分や水分のチェックが求められます。また、場合によっては、塩分や水分以外にもタンパク質やカリウム、リンなどの摂取制限もあります。
4 特養えびすの郷の特徴
透析を必要とする要介護者の特養へのご入居・ショートステイのご利用は、人工透析対応型である「えびすの郷(特養、ショートステイ)」をご検討ください。
(1)透析は隣接する「服部病院」で治療
透析治療につきましては、えびすの郷に隣接する透析で有名な「服部病院」(協力医療機関)で受けることができます。
(2)医療と介護の連携
透析が必要な要介護者に対するケア(介護)はもちろんのこと、看護師による日々の健康管理のほか、必要に応じた嘱託医師による回診など、日々の体調変化にも気を配っています。また、透析治療を行っている服部病院とは、日頃から医療面での連携を図っており、情報共有も適切に行っています。さらに、異常があったときはすぐに服部病院に診てもらえる体制が整っています。
(3)送迎はご家族の負担なく特養の送迎スタッフが実施
えびすの郷と服部病院(透析センター)間の人工透析にかかる通院対応は、ご家族の負担なく特養の送迎スタッフなどが行います。また、えびすの郷に戻られた際も、えびすの郷のスタッフが各ユニットまでお送りしますので安心です。
(4)栄養管理・水分管理も実施
透析治療を受けられている方は『食事』や『水分』面で制限がかかります。当施設では管理栄養士が献立を考え、調理スタッフがお一人おひとりの状況に合わせて作ったお食事を提供するとともにに、水分管理も適切に行っています。また、各種療養食への対応や、管理栄養士による栄養指導も実施しています。





